(新)後藤仁のスロー・クルージング
軍事関係図書(洋書中心。自腹で購入!)の書評と日々の雑感
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THE LAST OF PHANTOMS
 このところ少し暑い日が続いており、やる気を削いでくれること甚だしい。しかも悪いことに、昨日でウイスキーが絶えたので、今日から必然的に呑まない日が続くことになる。まあ体にはいいことではあるが、今度は夕食を考える必要が出てきた。まっつまみを作るのも、夕食を考えるのも大差ないことではあるが…。

 さて今回は、18日にイギリスを旅立ち今日25日に届いた、「THE LAST OF PHANTOMS」を紹介しよう。8日間で届いたのだからこれはかなりの素早さであり、さすがは愛用しているワールド・ブックスさんだけのことはあるぞ。

LastOfPhantoms 著者イアン・ブラックは、イギリス空軍でライトニング、ファントム、そしてトーネードと乗り継いできたパイロットで、退役後は民間に移って今はエアバスA340の機長を務めており、その経歴を背景に数多くの空撮をものにしてリリースされた写真集も多い。その中でも正続2冊の「LAST OF LOGHTNINGS」は、ライトニング写真集としてピカ一の存在で、オヤジもいちゃんと持っていっるのだ。

 今回紹介する本は、タイトルからわかるようにファントムIIをテーマとしているが、当然ながらイギリス空軍が運用してFGR.2と海軍から移管されたFG.1、そしてアメリカ海軍から借用したF-4J(UK)に限定されている。つまりイギリス空軍ファントムII写真集というわけだ。

 性格上、写真は空撮が中心だが、フライトラインや滑走路で撮影されたものも散見できる。ディテール写真はなく直接的にキット製作に役立つという本ではないものの、少なくとも士気高揚には役立つはずだ。来年には、エアフィックスからキットも出るはずだしね。

 実機の解説は最小限にとどめて、各章をファントム・ライダーの回想記に割いており、この中にはフォークランド諸島への派遣や、F-4J(UK)搭乗記もあり読めばそれなりの知識を得ることができる。

 オヤジは送料込みで3,100円強で購入したが、本書がリリースされた2002年換算では4,700円ほどしたので、まあいい買い物だろう。今アマゾンで調べてみると、出品者価格で送料込み5,400円弱と、結構高くなっていた。
ファントムFG.1のトリビア
 今日20日は昨日より少し涼しく、まあ窓を全開で耐えられる。これは財布にはありがたいことだ。仕事もなくやることもないので、こうして昼からブログを書いている次第。

SeketsuFG.1-FGR.2  さて今回は、世界の傑作機最新刊の「スペイ・ファントム」で少々気になった点があったので、少し調べてみた。それはスタビレーターの下反角が0.1度F-4Jとは異なり少ないという部分と、AIM-7もしくはスカイフラッシュ装着用のSta.No.4/6への約195kgのダミーウエイト弾装着の部分だ。

 まずスタビレーターの下反角の相違だが、これは海軍型ファントムFG.1が離艦に際し、甲板長の短いイギリス空母ゆえの装備である2段式前脚延長オレオにより機体の迎角が増大ことを受け、スタビレーター端が甲板と接触することを避けるもので、昔から言われてきたことだ。

 しかし考えてほしい。0.1度の差など取付け許容範囲の極めて小さい数字であり、そのために様々な部品を変更することによるコストの上昇を考えると、まずあり得ない話であろう。実際イギリス型F-4最良の資料である「BRITISH PHANTOM」では、F-4Jと同じ23度15分と記述されている。まずこの数字が正しいと考えるほうが、はるかに妥当だと思う。

 この0.1度下反角が少ないという記述は、ジェーン航空機年鑑にでも掲載されていたかと思うのだが、何しろ自分は持っていないのでそれを確かめることはできない。ただしジェーン年鑑でも間違いは結構多く、そのまま鵜呑みにすることはできないというのがオヤジの見解だ。

 またSt.No.4/6へのダミーウエイト弾に関しては、オリジナルのJ79エンジンの乾燥重量1,750kgに対して、スペイ201エンジンが1,850kgと100kgほど重く、機体の重心バランス整合のために装着したとされているのだが、果たしてこれは本当だろうか。なおエンジンの型式により重量は若干異なるが、ここではこの程度と考えられたい。

LastOfPhantoms そう聞くとなるほどなと考えそうだが、ちょっと待ってほしい。イギリス海軍向けの生産型FG.1の自量は14,023kgとされており、エンジンとの重量比は12%強。これに対して原型であるF-4Jは13,847kgで、やはり12%強と機体とエンジンの重量比はほぼ同一の値を示している。

 だったらアメリカ海軍もダミー弾を必要とするのではと考えるかも知れないが、もちろん訓練弾はあっても、そんなものはアメリカ海軍にはない。もちろん海兵隊にもだ。なぜイギリス仕様だけ必要とするのだろうか。それ自体がおかしいことだろう。

 しかもファントムFG.1は、発艦に際して機首の迎角を大きくとるためさらに後方への重量課題を招くことになるのだが、数多い発艦時の写真を見ればわかるように、そんなものを装着している例はないのだ。

 さらに今回前述の本に加えて、フローム・ザ・コクピットシリーズやファントム スピリット・オブ・ザ・スカイ、F-4Jフライトマニュアル、そしてファントムFG.1の機付長ハンドブックと乗員ハンドブックも見てみたが、そのような記述はどこにもなかった。

 このダミー弾装着は昔から言われてきたことなのだが、今回の精査でそれを裏付けるものはなく、古い誤りがそのまま綿々と引き継がれてきたと考えるのが妥当ではなかろうか。

 なによりもイギリス仕様は、新規に機体を製作しているので、生産時に何らかの形でバランスを整えるほうが、空対空ミサイルのステーションを2基占有し、単なる錘りとしての役しか立たないものを装着すると考えるほうがおかしいと思うぞ。というわけで、これらは『ファントム都市伝説』の一つとオヤジはしたい。






WORLD'S FASTEST SINGKE-ENGINE JET AIRCRAFT
 今日18日は明け方頃に雨が降り、これで8月に入ってから18日間雨が降らない日はないということに相成った。しかし昨日とは異なり今日は結構暑く、それでも窓を全開することでオヤジは耐えているぞ。本当は耐えたくなんかないのだが…。

 今日はやる気に欠けたので、昼は食パン1枚とコーンクリーム・スープでお茶を濁したが、夜は鶏の胸肉を解凍中なので、何を作ろうかと思案中。でも野菜を消費してしまうと今高いだけに、あとが大変になるのはとと辛い。はてどうしたものやら。

 さて今回は、先頃、楠木君に購入してもらったスペシャリティ-・プレスの新刊「WORLD'S FASTEST SINGKE-ENGINE JET AIRCRAFT」を紹介しよう。タイトルからでは何を取り上げているのかわからないだろうが、要は一時期防空軍団の主力機として運用された、F-106デルタダートのモノグラフなのだ。まあ表紙を見れば誰でもわかるよな。

 実はこの機体、有名機の割には資料が極めて少なく、大昔のエアロ・シリーズとイン・アクション、ディテール&スケール、そして世界の傑作機しかない。機密度が高く、生産数も350機に満たなかったことがその背景にあるのだろうが、ファンの一人であるオヤジには寂しい限りだった。

 そんな状況の中で、今年4月に刊行されたばかりの新刊が本書であり、227ページ全編これF-106に関して綴っている。豊富な写真に加え、フライト・マニュアルからの転載図を随所に配し、ビジュアルの面でも十分なものがあるが、やはり売りはその記述であろう。

 当然ながら最初に登場するのは、E-102Aの電子機材とエンジン、兵装強化型F-102Bとなるが、胴体側面のステーション・ナンバーと輪切り断面が図示されており、これを見るとすでにそのスタイルは、生産型F-106Aをほぼ完成させていたことがわかる。

 またあまりにもF-102Aと内容が異なるため改称したということはよく知られているが、その背景にはサン・アントニオに置かれた空軍資材施設の長である、T.C.オドム少将から、F-102Aとの共用部品はわずか12%しかなく、これでは別機だとの具現が存在したことが記述されている。

 また空軍は、海軍に配備が進められているF-4H-1との比較試験を画策し、ハイ・スピード計画なる呼称で1961年10月23日から11月17日まで、比較試験が実施された。空軍は第48FIS、海軍はVF-74か選ばれたが、いずれも基地は同じヴァージニア州おかれるという、地の利も関係したのだろう。

 その比較試験空域は、高度150mから18,900mが充てられ、さらにECM状況下での空対地ミサイル(ASM)のシミュレートを担当するため、B-58Aも用意された。結果305m以下と1,500m以下、そして高高度すべてでH-4H-1がF-106Aを上回り、特に高高度ではほぼ倍近く凌駕したと判定されている。

 これはECM状況下でのASM迎撃も変わらず。ASM迎撃ではF-106Aが0%だったのに対して、F-4H-1は70.7%を記録している。ただし実際に空対空ミサイルを用いた試験では、僅差ではあるがF-106Aが上回り、機動性もより優れると判定された。しかし最大の相違点はその価格で、F-106Aの単価が490万ドルであるのに対し、F-4は190万ドル(これは後に生産型となったF-4Cの価格ではあるが)とその差は大きく、これが空軍のF-4導入につながったのだろう。

 さらに各種発展型や段階的な改良計画、20mmバルカン砲のポッド装備等々、多くの図を交えて解説しており、まずはF-106の資料としては最良の一冊だろう。オヤジは楠木君に頼んで、USアマゾンから4,200円で購入したのだが、今調べてみるとアマゾン価格で5,356円、出品者価格でも送料を加えると5,354円と結構高く、なんだか得した気分になったぞ。

 

Su-27/30/33/34/35プロファイル写真集
 友人の住職さんから頼まれた講話会テープ起こしがあったので、更新が少々遅れてしまった。どうもテープ起こしっていう奴は、ストレスが一番溜まる仕事の一つじゃないかと思うぞ。自分が無能と思えて仕方がない。まあ実際に無能ではあるが…。

 8月になってから今日17日まで、毎日雨が続いている。もちろんこれは日がないうことではなく、少しでも降ったらという日を加えてのことだが。そして午後からはようやく晴れるようで、それはそれでありがたいことではある。

 先頃福屋でオヤジたち恒例の呑み会を開いたが、その席で中川氏が作りかけのハセガワ製B-47Eを、RB-47Hに改造中のキットを見せてもらい驚いた。スペースの関係で主翼は取り外し式にしているのだが、何と上面を切り離しこれを磁石で固定するスタイルでありながら、その継ぎ目が他のパナルラインとまったく変わらないのだ!

 さらには、主翼上面に林立しているボーテックス・ジェネレーターを、熱利用でまず孔を開けてから薄い真鍮板を埋め込み、さらにわずかなハの字形まで再現するという、その超絶さにはびっくりした。凄いゾ、完成が楽しみだ。


Su-27/30/33/34/35フランカー プロファイル写真集 (HJ AERO PROFILE)
 さて今回は、先頃ホビージャパンからリリースされたエアロ・プロファイル・シリーズ第2弾、「Su-27/30/30/33/34/35プロファイル写真集」を紹介しよう。以前紹介した「MiG-29プロファイル写真集」の続編であり、豊富な写真とカラー図が売りとなっている。

 全体の構成は前作と変わらず、最初の5ページで簡単に開発と各型式を記述した後は、すべてSu-27シリーズの塗装解説に充てている。当然ながらその中核はソ連/ロシア空、海軍だが、他のカストマー国、すなわちウクライナやベラルーシ、アルジェリア、エチオピア、中国、インド、ベトナムなど、ことSu-27シリーズの塗装に関しては最大の情報量を誇っている。

 ソ連、そしてロシアには、アメリカのFS、イギリスのBSなどと同様に標準塗装色規定が存在するのだが、残念ながらそれに関する情報は皆無で、塗装色自体はすべてアメリカの規定であるFS番号で指定されている。

 当然ながらこれはソ連/ロシア空軍などが関与するものではないので、そのFS番号指定はオリジナルのカラーチャートと、FSカラーチャートを対比させたか、あるいは実機のそばでFSカラーチャートと比較したか、はたまた写真からの推定かはわからない。

 また一部は上面も描かれているが、多くは左側面だけなので、左右非対称の塗装パターン機の場合は各種資料の写真を参考にして、推定するしかない。しかも本機はこの左右非対称パターンが大半なので、この点はちょっと残念ンだ。

 FSカラーチャートがないという方は、インターネットで検索すると全色が掲載されているサイトが結構あるので、これをブックマークしておけばよいだろう。確かにオリジナルと比べると、その色調は当然ながら異なるが、明るいグレイがそれとも暗いグレイか、青みがかっているかなどの情報は得られるので、何もないよりははるかによいだろう。

 95ページで一部を除くすべてカラーということを考えると、価格的に十分納得できる。.Su-27シリーズのキット製作に関しては、やはり手元に置いておきたい一冊であることは間違いあるまい。
「Villers-Bocage: Autopsie d'une Bataille 13 juin 1944
 梅雨が明けたというのに、このところ少々天気がいまいちで今日30日は朝から雨が降っている。その結果として窓を全開にすることができないのだが、ここはひとつ我慢することで、財布の負担を少しでも軽減してやろう。

 BSスカパーでは、1年ごとに1か月間無料視聴チャンネル・サービスがあるのだが、オヤジの場合は8月がそのサービス期間にあたっており、しかも1日からの視聴開始なのだが、実際には28日から見ることができた。これはありがたいゾ。

 しかし国会閉会審査を2日間見ていたら、ド腐れ野郎安倍とその詐欺政権の答弁には唖然とした。何しろまったく答えにはなっていないし、何かというと記憶にないの連発だ。これがあいつらの実態なのだな。嘘と出鱈目で武装してやがる。

 まあ人間だから、忘れるということはもちろんあろう。それはいい。しかし公の場において、自分は1年前の記憶もない無能でございますと恥じることなく発言したのだから、こんな奴らの給料は即刻1/10に減額すべきであろう。これも当然のことだ。

 むかついたのはこれだけではない。国家社会主義日本労働者党から金をもらっている御用ジャーナリスト田崎史郎がTVに出てきて、ド腐れ野郎の擁護に終始していること。まったくふざけているよな。こんな野郎はもう出すなよ。TBS。

 さて今回は、昨年5月にフランスのエイムダル出版から刊行された「Villers-Bocage: Autopsie d'une Bataille 13 juin 1944」を紹介しよう。そのタイトルからもわかるように、ヴィットマンとそのティーガーによりイギリス第7機甲師団第422機甲旅団が惨敗した、ヴィレル・ボカージュの戦闘を1冊に凝縮した本なのだ。

  当時の戦況から項を起こし、ヴィットマンが第2中隊長を務めるSS第101重戦車大隊のカーン方面への移動、ヴィレス・ボカージュ付近への到着と布陣、7月13日朝におけるヴィットマンの攻撃、ヴィレス・ボカージュ町中での戦闘状況、213高地への攻撃、装甲教導師団の反撃、101重戦車大隊第1中隊の戦闘行動、ヴィレス・ボカージュでの戦闘再総括、戦闘後のヴィレス・ボカージュの各章で構成されている。

 そして未発表写真を多数交えながら総括的に戦闘の実態が綴られ、CGによる写真の着色加工や合成などを駆使して、これまでの本には見られないリアルな仕上りも本書の特徴だろう。町中に放棄されたヴィットマン車の後方から撮影された写真の掲載されているが、画質が非常に悪いのは残念だ。

 加えて巻末には追補として、当時におけるSS第101重戦車大隊の編成と車輌番号、そしてその車長一覧や、戦闘に参加した第1、2中隊の戦術マーク・カラー図、午前中の第2中隊戦闘状況、装甲教導師団の戦闘状況、7月14日から16日にかけてのティーガー戦闘状況、町中に放棄された撃破戦車のその後、ヴィットマンの略歴、戦闘直後のヴィットマンへのインタビュー、ヴィレス・ボカージュの破壊状況、そして資料一覧が用意されている。

 本書によりこれまで不明であった数多くの事実が明らかとなったが、それは商業誌に書く予定なのでここでは触れない。しかしヴィットマンに興味のある方ならば、ぜひとも入手をお勧めしたい本だろう。

 オヤジはコメントをくれる楠木君に頼んでイタリア・アマゾンから購入してもらったのだが、この出版社の常としてまず英語版は出ないと思われるため、フランス語の辞書は必須だ。そう、フランス語というのが、本書最大の欠点なのだ。